公募割れとは
公募割れとは、企業が株式を新たに公開する際に証券会社が設定した公募価格よりも、初値が低くなってしまうことを指します。(初値とは、企業が上場して初めて付いた株価になります。)
IPO銘柄を購入する場合、証券会社から打診された公募価格を投資家が支払うことでその企業が上場する前に株を購入することができるため、公募割れが起きているということは、上場前に公募価格で購入したIPO銘柄を上場してすぐに売却をすると損失が発生してしまう、という状況が生じていることを意味しています。
実は珍しい公募割れ
一般的に、IPO銘柄はおいしい投資先だと言われていて、公募割れを起こすことは多くはありません。例えば、2015年の一年間でIPO(株の新規公開)を行った企業は91社ありましたが、初値が公募価格を上回った企業は82社もありました。つまり、公募価格でIPO銘柄を購入し、上場初日に初値で即座に売却を行えば、約90%の確率で利益を出すことが出来ていたことになります。
その上、2015年にIPOを行った企業の初値は公募価格から+88%も上昇していました。このように、IPO銘柄への投資はかなりの確率で利益が生じ、さらにその株価の上昇率も非常に高いものであり、公募割れの確率は10~20%程度と言えます。
公募割れを起こすIPO銘柄への投資を避けるためには
では、確率は低いとはいえ、その公募割れのIPO銘柄への投資を避けるためにはどうすればよいでしょうか。それは、注目度の高い銘柄を探すという方法です。公募割れというのは、「証券会社が思っていたよりも、人気がなかった」ということによって、発生してしまいます。そのため、事前に投資を検討しているIPO銘柄の人気度を確認しておくことで、公募割れを防ぎやすくなります。ここで、「でも、どれが注目度の高いIPO銘柄か分からない」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、実はとても簡単に調べることができます。その方法の一つは、インターネット上に書いてある「注目度」という項目を調べるという方法です。インターネットでIPO銘柄を調べると、新規公開銘柄を「S:かなり高く注目されている」から、「C:あまり注目されていない」といったように、各個別銘柄の注目度をレーティングしてくれています。こうした情報を参考にしながら、IPO投資の参考にするとよいでしょう。