初値とは
初値とは、新規に株式を公開した銘柄(IPO銘柄)が上場初日に初めて株式市場でついた株価のことを指します。一般的に、企業がIPOを行う場合、上場日以前に証券会社は市場を用いずに投資家に対して公募価格でその株を直接売却しておくことで、予めその株を流通させておきます。そして、その後、上場日になれば、その事前に流通していたIPO株の売買が株式市場で可能となります。この上場初日に初めて売買が成立した価格のことを初値といいます。
初値は公募価格を上回ることが多い
IPO銘柄の多くは、上場前に証券会社から販売される公募価格を初値が上回っています。公募価格を初値が上回る理由については諸説ありますが、IPOを行った企業の株価が上場初日から下落してしまうと縁起が悪いとか成長性を疑われてしまうといったことから、証券会社がわざと上場初日に株価が上昇するように公募価格を低めに設定しているなどと言われています。いずれにせよ、公募価格を初値が上回ることが多いということは、公募価格で購入することができた投資家は上場初日にそのIPO銘柄を売却してしまえば、即座に利益が出るということになります。こうしたことから、IPO銘柄への投資は投資家から人気の投資先となっています。ただし、もちろんですが、「公募割れ」と言われるような初値が公募価格を下回る場合もありますので、人気のないIPO銘柄にまで無理に投資を行わないように注意が必要です。
初値の決まり方
株式市場ではオークション形式で株価が決定されるため、需要と供給が一致した時点で株価も決まることになります。つまり、IPO銘柄の場合、上場初日に公募価格でオークションが始まりますが、この時公募価格での「売り注文」よりも「買い注文」が多ければ、株価が上がっていきます。そして、「買い注文」数が売り注文数を上回っている限り、株価がどんどん上がり続け、買い注文と売り注文が同じになった時点で、初めてIPO銘柄の取引が成立し、初値が決定します。