吸収金額とは
吸収金額とは、企業が新規に株式を公開した際に市場から調達した資金額のことを指します。この吸収金額は、企業が新規に発行した株式数と、既存株主が放出する株式数の合計に、公募価格を掛け合わせることで計算できます。
投資家にとっての吸収金額
一般的に吸収金額が小さいほど、上場後の株価が上昇しやすいと言われています。吸収金額が少ないということは市場に供給される株式数が少ないことを意味しています。そのため、相対的に、株式数の供給よりも投資家からの需要が高くなりやすく、それゆえより高い株価でも購入したいと考える投資家が現れやすくなるためです。
吸収金額が小さいということは、企業の規模が小さいことも意味しています。一般的に大企業よりも中小企業の方が高い成長性が期待されます。例えば、1兆円の売上高の企業がその売上を10%伸ばそうと思えば、1000億円もの売上を増やす必要がありますが、売上高1億円の企業が10%の成長を達成するためには、1000万円の売上増で十分となります。1000億円の売上を伸ばすのと、1000万円の売上を伸ばすのとでは、後者の方が簡単ではないでしょうか。こうしたことから、小型の企業は高い成長性が期待されています。またそれゆえに、企業規模の小さな小型株は株価も上昇しやすいと言えます。
このように、吸収金額が小さいIPO銘柄では、上場後に株価が上昇しやすいと言われています。特に、吸収金額が10億円未満だと小型案件だとみなされ、注目が集まる傾向にあります。
吸収金額の調べ方
吸収金額をIPO投資に活かすことは簡単です。投資を検討しているIPO銘柄があれば、「その銘柄名 吸収金額」と検索をすれば、各IPO銘柄の情報を提供してくれているサイトに行くことができるため、そのサイトから調べることができます。また、インターネットの株式情報サイト等でも「新規上場銘柄一覧」といったページがあり、そこに公開株数や仮条件、公開価格といった情報が記載されています。そのため、その公開株数に仮条件の価格や、公開価格を掛け合わせることで、大まかな吸収金額を把握することができます。このように、吸収金額を調べることは簡単ですので、複数のIPO銘柄を検討している際には、吸収金額を調べてみて、有望なIPO銘柄を探すことをお勧めします。